浮気調査で必要になってくるのは尾行の技術。
ただ単に対象者の後ろをついて行ったのではいけません。
「気付かれないように」 「見失わないように」
行なわなければなりません。
対象者のすぐ傍で尾行していては 「気付かれて」 しまいますが
かと言って離れすぎると 「見失って」 しまいます。
経験の浅い調査員はこの近すぎず離れすぎずの距離感に翻弄されています。
この距離感は経験である程度掴む事はできますが各個人のセンスが明暗を分けます。
危険認知能力とでもいいましょうか、自分の身に迫っている危険を敏感に感じ取れるかどうか、
対象者の細かな行動から先の行動を予測し対応できるか、などの判断が必要になってきます。
細かな情報とは何かと言えば 例えば対象者の歩き方、歩くスピード、顔の表情(特定の異性に会いにいく
場合と仕事上の取引先に行く場合では表情が異なる事が多いようです)、調査日の身なり服装などで判別し先を予測して計画を立てます。
余談になりますが当社の新人探偵は入社後、半年は休日がありません。
週に1度の非番日には大阪駅や京都駅に出てこの微妙な距離感を掴む為に適当な対象者を見つけては
数時間尾行を行ない時には赤の他人であるその対象者の自宅まで尾行する事も・・・。
技術とまではいかないですが、尾行を行なう時の注意点として
「対象者の後頭部を見ない」 というものがあります。
尾行慣れをしていない人のほとんどはなぜか対象者の後頭部を見てしまいます。
これは大きな問題です。なぜかというと 人は誰かに見られていると第六感により、視線を感じます。
それは後頭部を見ようが足元を見ようが視線を感じます。
それならば後頭部でも足元でもどこを見てもいいじゃないか!
とりなりますが、後頭部を見てはいけません。それは対象者の後頭部を見ていて、視線を感じて振り返ったりたまたま振り返ったりした際に対象者と目が合ってしまう事になります。
足元や手先を見ていると目線は合いません。
さらにいけないのは尾行中に対象者ともし目が合ってしまったら、
ほとんどの人がとっさに目線を外すでしょう。
これが又、問題です。何が問題かと言いますと 尾行中ではなく日常生活で前を歩いていた人がいきなり
振り返り自分の方を見たら普通は「知り合いかな?」とか「何かあったのかな?」とこちらも視線を
合わせます。と言っても2、3秒の事ですが。
目線が合うのが普通なんです。
しかし、尾行中に振り返られたり見られると視線をはずしたり、隠れたりすると目立ちます。テレビなどである電柱に隠れるなど論外です。(しかし、実際に現場に出ると電柱の裏や壁の裏に隠れたくなるんですけどね)
その様な事が数日の間に何度かあると対象者は警戒をすることになります。
次項では探偵の調査でも最も大事な「張り込み」についてお話します。
|